スウェーデン人に多い苗字・名前ランキング！名前の意味・由来やビックリする珍しい名前まで総まとめ

突然ですが、「スウェーデン人の名前」と聞いてパッと思い浮かぶものがありますか？

北欧雑貨が好きだから「リサ・ラーソン」は聞いたことある！

１人でも名前が挙げられたら、なかなかのスウェーデン通だと思います。

日本ではあまり馴染みのないスウェーデン人の名前ですが、実は興味深い特徴や由来があるんです。

そこで、スウェーデン人の名前にまつわるアレコレをまとめてみました。

スウェーデン人の苗字と名前の順番は？

スウェーデン人の名前の順番は、名前（ファーストネーム）＋苗字（ラストネーム）です。

例えばイケア創業者として有名な「イングヴァル・カンプラード」であれば、「イングヴァル」が名前、「カンプラード」が苗字ということになります。

日本とは順番が逆ですね。

スウェーデン人の名前の全国ランキング

スウェーデン中央統計局（SCB）によれば、スウェーデン人の苗字は約65万6000種類もあるそうです。
※つづりが微妙に異なるもの（例えば「Ericsson」と「Ericson」など）もそれぞれ１種類としてカウントした場合。

ちなみに「日本苗字大辞典」によれば、日本人の苗字は約30万種類。

スウェーデンの人口は日本の10分の１以下なのに、苗字の種類は日本の２倍以上もあるんです！

そんなたくさんある苗字の中でも、スウェーデン人に多い苗字はどんな名前なのか見ていきましょう。

スウェーデン人の苗字全国ランキング

スウェーデンの人口は約1000万人ですから、人口の約2.3%は「アンデション」。

日本でいう「佐藤」さんは、スウェーデンでは「アンデション」さん！

ところで、この苗字ランキングを見て、【ある共通点】に気付かれた方もいるのでは？　詳しくは記事の後半でご紹介します。

それでは続いて、男性・女性別の名前ランキングも見てみましょう！

スウェーデン人女性の名前全国ランキング

スウェーデンには、女性の名前は約22万2000種類あるそうです。

一番多い名前「アンナ」は、スウェーデン全21県中、なんと19県でトップの座を占めています。

流行り廃りのない名前なので、どの年代でも付けやすいというのが１位の理由ではないかと思います。

スウェーデン人男性の名前全国ランキング

男性の名前は約18万9000種類あるそうです。

男性で最も多い名前「ラーシュ」は、21県中 15県でトップです。

いやぁこう見ると、たしかに知り合いの中にこの名前の人が全員いますね（笑）

苗字・男性女性の名前のトップ100をすべて見てみたい方は、以下のリンク（スウェーデン中央統計局のウェブサイト）からどうぞ。ただしスウェーデン語のみです。

• スウェーデン人に多い苗字ランキング・トップ100
• スウェーデン人に多い名前ランキング・トップ100（女性）
• スウェーデン人に多い名前ランキング・トップ100（男性）

スウェーデン人は赤ちゃんにどんな名前をつける？

日本と同じように、スウェーデンでも、その年の赤ちゃんにつける「流行の名前」があります。

女の子の名前人気ランキング（2018年）

2018年に生まれた女の子につけられた人気の名前は次のとおりです。

男の子の名前人気ランキング（2018年）

スウェーデン人の男の子につけるのに人気なのは、このような名前です。

割と日本人にも馴染みのある響きの名前が多いと思いませんか？

スウェーデン人の名前の特徴

知られざるスウェーデン人の名前の特徴や由来をご紹介します。

苗字は「ソン」で終わるものが多い

“スウェーデン人に多い苗字ランキング”を見てお気づきの方も多いと思いますが、トップ10の苗字はすべて語尾が「son」です。

実は、トップ100のうち、41個はsonで終わる苗字なんです。

「son」は英語と同じで、「息子」という意味。

つまりAnderssonは「Anders（アンデシュ）の息子」、Nilssonは「Nils（ニルス）の息子」。

sonの前に来る名前はすべて男性の名前なのですが、なぜだか分かりますか？

これは「父称（ふしょう）」＝「父または男系祖先の名に基づく呼び名」という歴史的な習慣の名残によるもの。

たとえば父親が「Hans Andersson」の場合、その息子は「Hansson」、娘は「Hansdotter」という苗字を使うのが、かつては一般的でした（「dotter」は娘という意味）。

しかし1800年代終わり頃になるとこの習慣は途絶え、子どもたちは親と同じ苗字をそのまま使うようになります。

またほぼ同時期に、女性は結婚すると男性の姓を名乗るようになったため、現在では「○○dotter」という苗字がほとんど無くなってしまったそうです。

読み方に少しクセがある

スウェーデン語では「r」のあとに「s」が来ると、「シュ」のような発音になります。

例えば、Andersonであれば、「アンデソン」ではなく「アンデション」になるんです。 

ミステリー小説「ドラゴン・タトゥーの女」で有名な作家スティーグ・ラーソン（Stieg Larsson）も、スウェーデン語の発音に近いカタカナ表記にすると「ラーション」です。

また、「r」のあとに「g」が来る場合には「リィ」のような発音になります。

ハリウッド女優のイングリッド・バーグマン（Ingrid Bergman）は、「べリマン」の方が、よりスウェーデンの発音に近い表記です。

自然に関係する名前が多い

スウェーデン人の苗字の約３分の１は、木、動物、水など自然に関係する単語を含むと言われています。

自然に関係する名前の中で最も多いのはLindberg（リンドベリ）。

「Lind」は菩提樹、「Berg」は山という意味です。

このほかにも

といった名前があります。

日本に「山田」さんや「谷川」さんがいるのと、なんだか似ていますよね。

スウェーデンには名前の日がある

スウェーデンには、ノーベル文学賞の選考機関として有名なスウェーデン・アカデミーによって制定された「名前の日」というものがあります。

５月20日は「カロリーナ」の日、11月14日は「エーミル」の日、といったように、365日にすべて名前がついているんです。

もともとは、その日に因んだキリスト教の聖人の名前を付けたのが始まりのようですが、現在では宗教的な意味合いはほとんど残っていません。

名前の日は、誕生日ほど盛大ではないにせよ、家庭によってはささやかなお祝いをするところもあります。

今日が誰の名前の日か気になる方は、スウェーデン・アカデミーのホームページにある名前の日カレンダー（Namnlista）を見てみてください。ただし、こちらもスウェーデン語のみです。

名前の付け方にも面白い習慣が

スウェーデンでは、３世代前の名前が再び流行すると言われます。

実際のところ、2018 年に生まれた女の子の名前ランキングに入っている「エルサ」 や「アリス」は、1910～20年代にスウェーデンで流行った名前なんです。

1920～30年代に人気があった男の子の名前「ルート（Rut）」、「ターゲ（Tage）」なども、最近また人気が出てきています。

それよりも新しい40～50年代に人気だった名前を最近の子どもにつけるという人は、ほとんどいません。再び流行るまで、もう少し時間が必要みたいですね。

また、スウェーデン人のほとんどは複数のファーストネームを持っていますが、その１つに、おじいちゃんおばあちゃんの名前を入れるというのもよく聞きます。

苗字も名前も何度でも変更OK

スウェーデンでは2017年に名前に関する法律が変わり、苗字と名前を何度でも変えられるようになりました。

それまでの法律によれば、苗字・名前を変えられるのは基本的に一生に１度だけでした（※ただし苗字については、１８歳未満であれば父方ないし母方の苗字の間で何度でも変えることができました）。

ちなみに、名前を変えるためにかかる費用は、苗字で1800クローナ（約2万円）、名前で250クローナ（約3000円）だそうです。

へ～、名前を変えるのって意外に安いのね。

世にも珍しいスウェーデン人の名前

ビックリするような名前のスウェーデン人も発見したので、最後にご紹介します。

男性の名前

• 「電気コード」さん（Sladden）
• 「雷」さん（Blixten）
• 「マヌケ」さん（Pucko）

女性の名前

• 「ペン」さん（penna）
• 「ポルシェ」さん（Porsche）
• 「お尻の穴」さん（Anus）

スウェーデンの中央統計局のページでは、その名前を持つスウェーデン人が何人いるか検索できます。

ここで紹介した名前はどれもこの検索でヒットしたので、実在する名前です。

どういう経緯でこの名前がつけられたのか気になるところですね。。。

あなたと同じ名前の人がスウェーデンにもいるかもしれません。

スウェーデン中央統計局ウェブサイトから、スウェーデン人のお名前検索が出来きますので、お試しあれ。