今までスウェーデンで約10年暮らす中で、たくさんのスウェーデン人に出会ってきました。
一人ひとり個性がある中にも、多くのスウェーデン人に共通する特徴や性格が見えてきたので、この記事ではスウェーデン人の国民性についてご紹介します。
スウェーデン人の特徴・国民性
論理的でディベートが上手い
スウェーデン人は、論理的に考える力やディベート力に優れている人が多いです。
なぜかというと、スウェーデンの学校教育が次のようなことに重点を置いているからだと思います。
あらゆる問題に対して自分なりの意見を持つこと
他者に対して自分の意見を論理的に説明すること
相手の異なる意見に耳を傾けること
建設的な議論をして合意を導き出すこと
このように詰め込み式の学習ではなく、自分の頭で考え、それを相手に伝える訓練を積んできたスウェーデン人は、プレゼンやディベートがとても得意です。
相手を言い負かせるのではなく、争いは避けながらスムーズに問題を解決しようとするのもスウェーデン人の特徴と言えます。
太陽の光を常に求めている
一年の半分がほぼ冬のスウェーデンでは、年間の日照時間がとても短いです。
そのため、スウェーデン人は太陽が出たら日光浴をせずにはいられません。
少しでも晴れ間が見えたら、寒くてもブランケットに包まりテラスでお茶をして、できるだけ日の光を浴びようとします。
また夏は、水辺のない公園でも水着になって芝生に寝転がる人をよく見かけます。
スウェーデンには窓にカーテンを付けない家が多いのですが、それは、日の光を取り逃したくないという気持ちの表れなのかもしれません。
お酒に強い
少しシャイなスウェーデン人にとって、お酒は相手との仲を深める手助けをしてくれる大事なツールです。
この点は日本人と似ていますが、日本人と決定的に違うのはお酒に対する強さ。
スウェーデンの伝統的なお酒であるアクアビット(じゃがいもの蒸留酒)は40%近い度数がありますが、スウェーデン人は顔色ひとつ変えず何杯でも飲みほします。
日本人が同じペースで飲むとすぐ酔いつぶれてしまうのでご注意を。
語学が堪能
スウェーデン人はみな英語がとても上手。
スウェーデンは、英語を母国語としない国で最も英語力が高い国に選ばれたほどです。
地方に住んでいる人や年配の方の中には英語が苦手な人もいますが、ほとんどのスウェーデン人はネイティブと同等の英語力があります。
スウェーデン語と英語に加え、さらにほかの外国語も話せるという人も珍しくありません。
両親が外国人のため、親の母国語も話せるようになるという人も多いです。
さまざまな人種の人が住むスウェーデンならではですね。
約束した時間は守る
日本人にとって時間を守るのは常識ですが、世界には時間にルーズな国が意外に多いもの。
でもスウェーデン人は、待ち合わせ時間をきちんと守ります。
また時間に遅れそうな時には、ちゃんと連絡をくれる律儀な国民性です。
こうした個人的な約束の場合は時間に正確なのですが、なぜか業者は指定した時間通りに来ないことが多いです。
そして電車やバスが定刻どおりに来ないこともしばしば。
時間への正確さはやはり日本人の方が勝っていると思います。
政治への関心が高い
スウェーデンには、「国のあり方を決めるのは国民」という考えが根付いています。
それを示すのが、スウェーデンの高い選挙投票率。
スウェーデンの国政選挙の投票率は常に80%を超えており、前回総選挙(2018年)での投票率は87.2%でした。
国民の政治的関心は高く、友人との日常会話の中で政策についての議論が話題に上がることも珍しくありません。
若者も選挙に積極的に参加し、その時々の政策について自分の意見を持っています。
スウェーデンは税金が高いことで有名ですが、それに不平不満を言う人はいません。
それは、税金の使われ方を決めている自分たちだという自負があるからではないかと思います。
ワークライフバランスの取れた生活をしている
スウェーデン人の多くは、効率的に働き、定時で退社し、自分のプライベートの時間を大切にするという生活を送っています。
日本では一つの会社で長く働き会社に忠誠を尽くすことが美徳とされる風潮ありますが、スウェーデンの場合、会社は自分のキャリアアップのための場という考え方が主流。
したがって、組織のために自分を犠牲にするようなことはしませんし、自分のやりたいことがその会社ではできないのであればすぐに転職します。
このようにして自分のやりたい仕事に手に入れながら、プライベートの時間も充実させる。
なんとも素敵な人生の過ごし方ですよね。
とにかく自然が大好き
スウェーデンはIT技術の先進国としても有名なので、都会的な生活をしているイメージが強いと思いますが、実はスウェーデン人は自然をこよなく愛する国民性です。
人里離れた森の中にサマーハウス(別荘)を持っている人が多く、週末や長期休暇の際には別荘でゆっくり自然を満喫するのが贅沢な時間の過ごし方と考えられています。
裸になって湖で泳いだり、森でキノコ狩りやブルーベリー摘みをしたり、自然とともに生きる素朴さを持っているのがスウェーデン人です。
スウェーデン人男性の特徴
育児・家事はこなせて当たり前
スウェーデンにはそもそも「イクメン」にあたる言葉は存在しません。
なぜなら、育児・家事は男女関係なく平等に行うのが当たり前だから。
ベビーカーを押しながら散歩するスウェーデン人男性も街中でよく見かけます。
夕飯の支度は妻か夫どちらか早く家に着いた方が担当するという夫婦も多いですし、子どもが病気になったら夫の方が仕事を休む場合も珍しくありません。
ロジカルで温厚な性格
スウェーデン人の男性で感情的になる人はあまり見たことがありません。
たとえ喧嘩になっても 感情的になって怒鳴ったりすることは少なく、とことん話し合って解決するタイプの人が多い印象です。
私の夫もこのタイプなので、時にはこの論理的すぎるところがちょっとうざいと感じることもあります(笑)
DIYが大好き
イケアの家具を自分で組み立てるのはもちろんのこと、家の中のリフォームや庭仕事を得意とする人が多いです。
リビングのフローリングを張り替えたり、お風呂のタイルを替えたり、子ども部屋の壁の色を塗り替えたり、たいていのことは業者を使わず自分でこなしてしまいます。
これもきっとワークライフバランスがとれて生活に余裕があるからこそできることのような気がします。
スウェーデン人女性の特徴
健康志向が強い
定期的にジムに通ったり、家のまわりをジョギングをするなど、日ごろから運動をしている人がほとんど。
中にはベビーカーを押しながらジョギングしている人もいます。
食事にも気を使っていて、野菜中心の健康的な食生活を心がけている人が多いです。
キャリアウーマンが多い
スウェーデンには専業主婦はほぼ存在しません。
結婚して子どもを産んでも、仕事は辞めずに定年まで働き続ける女性がほとんど。
スウェーデンでは年金が世帯ではなく個人単位で支給されるため、専業主婦をしていて収入がなかった人は老後の生活が非常に苦しくなります。
ただこういった経済的な理由からだけでなく、自分の能力を磨きたいから働き続けるというキャリア志向の強い女性が多いと感じます。
環境に対する意識が高い
2019年はグレタ・トゥーンベリさんの活動が大きく注目を浴びましたが、スウェーデンには環境に対する意識が高い人が非常に多いです。
これは個人的な印象にすぎませんが、男性よりも女性の方が環境に対する意識が強い人が多いように感じます。
ごみの分別を守る、飛行機より電車を使うように心がける、食べ物はできるだけオーガニックのものを選ぶなどを実践している人が非常に多いです。
環境や動物への配慮からベジタリアンやビーガンであるという人も珍しくありません。
スウェーデン人の国民性・性格まとめ
言うまでもなく、人の性格は生まれた国に関係なく十人十色。
さまざまなバックグラウンドを持った人が暮らすスウェーデンでは、「スウェーデン人は〇〇」というような型にはめようとすること自体が実はナンセンスかもしれません。
この記事もスウェーデン人の国民性を決めつける趣旨ではないので、あくまでこういう傾向の人もいるよ、という程度に受け止めてもらえたらと思います。
一番信頼できるのは、自分の目で確かめること。
スウェーデン人の国民性について知りたいと思ったら、実際にスウェーデンに遊びに来てみてください。
素敵なスウェーデン人との出会いがたくさんあるはずです。
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