ストックホルム地下鉄・バス・トラム・鉄道チケットの種類と購入場所・買い方【画像32枚】

©Cecilia Larsson Lantz/Imagebank.sweden.se

ストックホルムの交通機関の使い方を調べてみたけど、チケットの種類が多すぎてどれを買ったら良いのか分からない。購入方法も複雑そう…。

海外旅行に備え、現地の公共交通機関の使い方やチケットの買い方を調べるのって、けっこう骨が折れますよね。

ストックホルム旅行を控えそんなお悩みを抱えているあなたのために、ストックホルム在住のわたしが現地の公共交通機関のチケットの種類やそれぞれのメリット・デメリット、購入方法について詳しく解説します。

この記事は、こんな人に読んでほしい
  • ストックホルムの公共交通機関で使えるチケットの種類を知りたい人
  • 旅行者にとって、どれが1番お得なチケットか知りたい人
  • チケットの購入場所・購入方法を事前にしっかり調べておきたい人

最初に結論から言うと、 旅行者の方におすすめのチケットは次のとおりです。

1泊2日: SLアクセスカードに必要な分のクレジットをチャージ
2泊3日:トラベルカード(72時間券)+足りない分はSLアクセスカードのチャージ分で補う
3泊4日以上:トラベルカード(7日券)

色々なカードの名前が出てきて何だかややこしいですが、以下で詳しく説明します。

ストックホルムの公共交通機関

ストックホルムで利用されている主な公共交通機関は、次の5つ。

  • 地下鉄(tunnelbana)
  • バス(buss)
  • 鉄道(pendeltåg)
  • トラム (spårvagn)
  • ボート (båt)

これらはすべてSL社(Storstockholms Lokaltrafik)によって運営されており、チケットはどの乗り物にも共通して使えます。

Swetabi
Swetabi

どの交通機関も同じ切符で乗れちゃうのは、分かりやすくて便利だね!

上記でリストに挙げた鉄道(pendeltåg)とは、ストックホルム内を走る鉄道のことを指します。これとは別に、スウェーデン国内の都市間(例:ストックホルムとヨーテボリ間)を結ぶ鉄道も走っていますが、こちらは「SJ」という国営企業が運営しています。

SLとSJ。一文字違いで紛らわしいですが、使えるチケットは違うので間違えないようお気をつけください。

ストックホルム交通機関のチケットの種類と料金

SLの主なチケットの種類には、 1回使い切りのシングルチケットと、一定期間内(24時間、72時間、7日間)乗り放題になるトラベルカードがあります。

それぞれの料金は次のとおりです。 (2020年1月時点のレート:1クローナ=11.47円で計算)

種類大人料金割引料金*

シングルチケット
(1回券)

37クローナ
(約420円)

25クローナ
(約280円)

トラベルカード
(24時間券)

155クローナ
(約1800円)

105クローナ
(約1200円)

トラベルカード
(72時間券)

310クローナ
(約3500円)

210クローナ
(約2400円)

トラベルカード
(7日間券**)

405クローナ
(約4600円)

270クローナ
(約3100円)

*割引料金は20歳未満、スウェーデンの学生証を有している学生、65歳以上に適用。(7歳以下の子どもは、料金を支払った大人が同伴している場合に限り無料。)

** 7日券は購入日から7日間経った翌日の午前4時に失効(例:1月1日に購入した場合、1月1日0:00から1月8日午前4:00まで有効)。24時間券および72時間券は、初めて使用した日時から24時間後または72時間後に失効。

Swetabi
Swetabi

各チケットのメリット・デメリットや比較については、のちほど詳しく解説するよ!

さらにチケットを購入する際の媒体としては、次の3種類があります。

  • 紙のチケット(使い捨て)
  • SLアクセスカード(再チャージ可能)
  • SLアプリ(1回券と24時間券のみ購入可)

チケットの種類が同じであれば、 どの媒体のものを購入しても料金や使える期間・範囲に差はありません。

SLアクセスカードの使い方

SLアクセスカードとは、SLが発行している繰り返しチャージ可能なICカードです。

日本でいうSuicaみたいな感じ。(Suicaほど優れものじゃないけどね…)

カード自体の購入には、20クローナ(約230円)かかります。

SLアクセスカードは、次のいずれかの方法で使用します。

①あらかじめチケットの種類を指定しチャージする。

②チケットの種類は指定せず、自分で好きな金額(クレジット(reskassa))をチャージする。

②の場合には、SLアクセスカードを改札に通す度に、シングルチケット分の料金が引かれていきます。

クレジットが残っている間に①のチャージをすると、①のチケットが優先的に使われ、その有効期限が切れた段階で自動的に②に戻ります。

チケットの有効期限が切れたり、クレジットを使い切った場合でも、再度SLカードに新しいチケットもしくはクレジットをチャージすれば繰り返し使うことができます 。

SLアクセスカードは、購入から最大6年間有効。またスウェーデンに遊びに来る予定のある人は、観光後も捨てずに取っておいてくださいね。

ストックホルム旅行で1番お得なチケット

それぞれのチケットのメリットとデメリットは次のとおり。

トラベルカードのメリット・デメリット

  • 有効期間内なら乗り放題なので、利用回数を気にすることなく使える。
  • 交通機関を使う度にチケットを買う手間が省ける。
  • 有効期間が短い券ほど割高。
  • 計画を立ててから買わないと損する可能性がある。

損得をそこまで気にしないのであれば、一番ストレスフリーに使えるのがこれらの乗り放題券です。

毎回チケットを買ったり、SLアクセスカードの残高をチャージするのは少し手間がかかります。

ただ、絶対お得に旅したい!という人は、滞在中にどのぐらい交通機関を使う予定かしっかり考えてから買わないと損してしまいます。

シングルチケットのメリット・デメリット

  • 距離に関係なく一律料金なので安心。
  • 75分以内であれば、乗り換え自由(バス→地下鉄といった異なる交通機関の乗り継ぎもOK)
  • 1~2駅程度の短い距離の移動で使用するにはコスパが悪い。
  • ペーパーチケットの1回券の場合、何度もチケットを購入する手間がかかる。

チケットがアクティベートされてから75分以内であれば、乗り換え自由かつ距離に関係なく一律料金のため、ストックホルム市内から少し遠い場所(ドロットニングホルム宮殿やグスタフスベリなど)まで足を伸ばす人にとってはお得感のあるチケットです。

その裏返しになりますが、シングルチケットと言えども安くない( 37クローナ(約420円))ので、徒歩でも行ける距離の移動に使うのはもったいないと思います。

SLアクセスカードのメリット・デメリット

  • まとまった金額をチャージしておけば、1回券を購入しなおす手間が省ける。
  • カード購入代として20クローナかかる。
  • チャージ残高が残ったまま旅行が終わっても、払い戻しができない。

SLアクセスカードは基本的に、クレジットをチャージしておくことでメリットが発生します。

もしトラベルカードだけを使う予定なのであれば、SLカードにチャージするのではなく紙のチケットで購入すれば十分です。

残念ながら SLアクセスカードは残ったチャージ金額を払い戻すことができません。

必要以上にチャージしてしまうと、使い切れず無駄になってしまうことがあるので要注意。

トラベルカードで元を取るには

乗り放題のトラベルカードはどれぐらい使えば元を取れるのか、計算してみました(1回券=37クローナ) 。

24時間券 155クローナ÷37クローナ=4.18
→ 24時間以内に5回以上乗るならお得
=1日あたり5回

72時間券 310クローナ÷37クローナ=8.37
→72時間以内に9回以上乗るならお得
=1日あたり3回

7日間券 405クローナ÷37クローナ=10.94
→7日間以内に11回以上乗るならお得
=1日あたり1~2回

ストックホルム観光ではどれぐらい交通機関を使う?

トラベルカードは何回以上使えばお得になるかは分かりましたが、ストックホルム観光ではそもそもどのぐらい公共交通機関を使う必要があるのでしょうか?

そんな疑問をお持ちの方のため、主要観光スポットをエリア別に色を分けてまとめてみました。

ご覧のとおり、ストックホルムはエリアごとに観光スポットが固まっている傾向があります。

したがって、同一エリア内(同じ色の目印を付けた観光スポット間)であれば徒歩で移動可能です。

日によって観光するエリアを分ければ、1日の中でほとんど交通機関を使わずに観光スポットを回ることもできるのです。

結論:ストックホルム観光でおすすめのチケットはこれだ!

こうした要素を踏まえた上で、現地在住者のわたしが個人的におすすめするチケットは次のとおり。

1泊2日:SLアクセスカードに必要な分のクレジットをチャージ
2泊3日: 乗り放題チケット(72時間券)+足りない分はSLアクセスカードのチャージ分で補う
3泊4日以上: 乗り放題チケット (7日券)

24時間券は元を取るのが難しそうなので、1泊2日の場合でもおすすめには入れませんでした。

元を取ろうとするなら、例えば次のようなスケジュールが想定されます。

  • 9:30
    ホテル発

    ↓バスor地下鉄

  • 10:00
    ストックホルム市庁舎

    ↓トラム

  • 12:00
    ヴァーサ号博物館

    ↓トラム

  • 14:00
    オステルマルム屋内市場

    ↓地下鉄

  • 15:00
    ガムラスタン(国会、王宮、ガムラスタン散策)

    ↓地下鉄

  • 18:00
    レストラン(夕食)

    ↓バスor地下鉄

  • 21:00
    ホテル着

ストックホルムの主要な観光スポットを1日ですべて回りたいという人は、24時間券がお得かもしれません。

しかしもう少し余裕のある観光にするなら、観光先の数を少し減らしたうえで、移動には1回券を使う方が良いかと思います。

一方で、72時間券と7日券は最低1日3回使えば元が取れる計算です。

1日3回ぐらいは地下鉄やバスを利用してもおかしくないので、それぞれ2泊3日以上、3泊4日以上の方にはトラベルカードの購入をおすすめします。

チケットの購入場所

さて、どのチケットを買うか決めたら、どこで買えるのかを見ていきましょう。

有人の窓口

SLカスタマーサービス窓口や地下鉄各駅の改札窓口、コンビニ、キオスクなどでSLカードやチケットが購入可能です。

ただし、コンビニとキオスクはすべての店舗でチケットの扱いがあるとは限りません。

駅の改札付近にあるコンビニやキオスクであれば、だいたいSLのチケットを取り扱っています。SLマークの旗が掲げられていれば確実に取り扱っているので、それを目印に探しましょう。

SLカスタマーサービス窓口

地下鉄ストックホルム中央駅・セルゲル広場(Stockholm Sergels torg)
営業時間:平日 10:00-18:00、土 10:00-16:00(日・祝日は休み)
※現金の取り扱いなし。

鉄道ストックホルム中央駅地下(Stockholm Central Station)
営業時間:毎日 07:00-20:00

地下鉄テクニカホーグスコーラン駅(Tekniska högskolan)
営業時間:平日 08:00-17:00(土日・祝日は休み)

地下鉄フリードヘムスプラン駅(Fridhemsplan)
営業時間:平日 08:00-17:00、(土日・祝日は休み)

自動券売機

地下鉄の各駅や主要なバス・トラムのバス停には、このような自動券売機が設置されています。

ここでもチケットを購入したり、SLカードにチャージすることができます。

自動券売機ではSLカードにチャージすることはできても、カード自体を買うことはできません。あらかじめSLカードを有人窓口で購入しておく必要がありますのでご注意ください。

SLアプリ

SLアプリを使えば、1回券と24時間券が購入できます(72時間券、7日券は購入できません)。

アプリを使うためには事前にダウンロードしましょう。

言語は英語にも対応しています。

ただし、インターネットに接続されている環境でないとチケットが買えないのでご注意ください。

自動券売機を使ってチケットを購入・チャージする方法

自動券売機を使ってチケットを購入したり、チャージする方法をご説明します。

券売機は地下鉄の駅の改札口付近や、主要なバス・トラムの停車場所にあります。

券売機ではクレジットカードのみ使用可で、現金は使えないのでご注意ください。

通常はスウェーデン語での表示に設定されていますが、 画面左下の[English]ボタンを押せば簡単に英語表記に変換できます。

それでは、具体的な購入方法を、チケット別に見ていきましょう。

SLアクセスカードを使ったトラベルカードの買い方

【手順1】SLアクセスカードを、カード読み取り部分にタッチします。

自動券売機ではSLアクセスカードは買えません。SLアクセスカードをお持ちでない方は、駅の窓口やキオスクで事前に購入しましょう。

【手順2】 「Purchase ticket 」 (チケットを購入)を押します。

【手順3】 「24、72-hours och 7 day tickets」(24、72時間または7日間券)を押します。

【手順4】
①「↑」「↓」ボタンを押して、購入を希望するチケット(24時間券、72時間券、7日間券のいずれか)を選択します。
②「Confirm」(確認)を押します。

【手順5】 確認画面が表示されるので、以下の5項目を確認します。
①チケットの種類
②チケットの内容
③値段
④乗客の種類(大人か子どもか)
⑤チケットの使用開始時間(トラベルカードは、最初に改札を通したときに初めてアクティベートされるため、画面上では使用開始時間が「ー」(未定)と表示されています。)

⑥ 内容に間違いなければ、「Confirm」(確認)を押します。

【手順6】画面の指示に従って①クレジットカードを挿入し、②暗証番号を入力します。

暗証番号入力パネルはスウェーデン語表示ですが、画面下右側の細長いボタンを押すと英語に切り替わります。

クレジットカードの暗証番号を入力し、緑の「OK」ボタンを押して支払いを確定します。

【手順7】支払いが完了したら、最後にSLアクセスカードをカード読み取り部分にタッチします。
これを忘れてしまうと正しくチャージされないので、お気を付けください。

SLアクセスカードを使ったシングルチケットの買い方

【手順1】SLアクセスカードを、カード読み取り部分にタッチします。

【手順2】 「Purchase ticket 」 (チケットを購入)を押します。

【手順3】「Single journey tickets」(シングルチケット)を押します。

【手順4】
①「Single journey ticket」(シングルチケット)が選択されているのを確認の上、
②「Confirm」(確認)を押します。

【手順5】 アクセスカードにチャージするか、ぺーパーチケットで購入するか選択できるので、「SL Access card」を押します。(ここで「Paper」を選択すると、紙のチケットが出てきてしまいます。)

【手順6】 確認画面が表示されるので、つぎの5項目を確認します。
①チケットの種類
②チケットの内容
③値段
④乗客の種類(大人か子どもか)
⑤チケットの使用開始時間(SLアクセスカードを使ってシングルチケットを購入する場合、チケットの使用開始時間は改札にタッチしたときから始まるため、購入時の画面上では「-」(未定)となっています。)

⑥問題なければ「Confirm」(確認)を押します。

【手順7】画面の指示に従って①クレジットカードを挿入し、②暗証番号を入力します。

【手順8】支払いが完了したら、最後にSLアクセスカードをカード読み取り部分にタッチします。
これを忘れてしまうと正しくチャージされないので、くれぐれもお気を付けください。

SLアクセスカードへのクレジットのチャージ方法

【手順1】SLアクセスカードをカード読み取り部分にタッチします。

【手順2】「SL Access credit top-up」(クレジットをチャージ)を押します。

【手順3】希望するチャージ金額を選びます。

任意の金額をチャージすることができますが、チャージ金額が余ってしまっても払い戻しはできないので、端数の出ない金額(1回分37クローナの倍数)をチャージすることをお勧めします。ちなみに、4,8,10回分まとめて購入するという選択肢が表示されますが、まとめ買いしても割安にはなりません。

【手順4】画面の指示に従って①クレジットカードを挿入し、②暗証番号を入力します。

【手順5】支払いが完了したら、最後にSLアクセスカードをカード読み取り部分にタッチします。
これを忘れてしまうと正しくチャージされないので、くれぐれもお気を付けください。

SLアクセスカードに正しくチャージできているか確認する方法

SLアクセスカードをカード読み取り部分にタッチ すると、このような画面が出てきます。

画面の左側の「SL Access credit」にはクレジットの残高が、「Passes」には現在アクティベートされているチケットの種類が表示されます。

正しくチャージ・購入できているか心配な人は、購入後にもう一度カードを読み取り部分にかざしてみましょう。

紙のシングルチケットの買い方

SLカードを持っていない場合には、 紙媒体のシングルチケットを購入できます。

【手順1】画面上の「press here」をタッチします。

【手順2】「Single journey tickets」(シングルチケット)を押します。

【手順3】
①「Single journey ticket」(シングルチケット)が選択されているのを確認の上、
②「Confirm」(確認)を押します。

【手順4】 確認画面が表示されるので、つぎの5項目を確認します。
①チケットの種類
②チケットの内容
③値段
④乗客の種類(大人か子どもか)
⑤チケットの使用開始時間(紙のチケットの場合、購入した時間がチケットの使用開始時間になります。未使用でも、購入から75分間経過するとチケットが無効になってしまうため、紙のチケットは使用する直前に購入しましょう。)

⑥問題なければ「Confirm」(確認)を押します。

【手順5】画面の指示に従って①クレジットカードを挿入し、②暗証番号を入力します。

【手順6】支払いが終わると、紙のチケットが取り出し口から出てきます。

ストックホルム地下鉄・バス・トラム・鉄道チケットのまとめ

事前にどのような種類のチケットがあるか調べておけば、旅先で困る心配はありません。

少しややこしいストックホルム交通機関のチケットですが、この記事が少しでもお役に立てば嬉しいです。

予め旅行の計画を立てた上で、1番お得に観光できるチケットを選んでいただければと思います。

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