スウェーデンに住んでみたいけど、きっとビザをとるのが難しいんだろうなぁ…。
と、スウェーデンへの移住を諦めていませんか?
そんなあなたに、大・大・大ニュースです!
2019年8月26日、スウェーデンと日本の間で、ワーキングホリデービザに関する協約が結ばれました。
もしあなたが「スウェーデンに住んでみたい」という夢を抱いているなら、ぜひ最後まで記事を読んでみてください。
わたしは現在スウェーデンに在住しているので、ワーホリでスウェーデンに渡航したあと現地で仕事を見つけるのがどれぐらい難しいかについても、これまでの経験からご説明します。
ワーキングホリデーってそもそもどんな制度?
日本の外務省ホームページによれば、
ワーキング・ホリデー制度とは,二国・地域間の取決め等に基づき,各々が,相手国・地域の青少年に対し,休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度です。
引用 : 外務省 ワーキング・ホリデー制度
簡単に言えば 「A国とB国の若者がお互いの国に移住して、移住した先の国の文化や生活を知ることで、国同士もっと仲良しになろう!」って制度ね。
ワーキングホリデービザを使って海外移住する日本人は、年間約1万5千人にも上るそうです。
日本がワーキングホリデー制度を導入してきた国・地域は、こーんなにたくさん。
制度開始年 | 年間発給枠 | |
オーストラリア | 1980 | なし |
ニュージーランド | 1985 | なし |
カナダ | 1986 | 6,500 |
韓国 | 1999 | 10,000 |
フランス | 2000 | 1,500 |
ドイツ | 2000 | なし |
英国 | 2001 | 1,000 |
アイルランド | 2007 | 400 |
デンマーク | 2007 | なし |
台湾 | 2009 | 10,000 |
香港 | 2010 | 1,500 |
ノルウェー | 2013 | なし |
ポルトガル | 2015 | なし |
ポーランド | 2015 | 500 |
スロバキア | 2016 | 400 |
オーストリア | 2016 | 200 |
ハンガリー | 2017 | 200 |
スペイン | 2017 | 500 |
アルゼンチン | 2017 | 200 |
チリ | 2018 | 200 |
アイスランド | 2018 | 30 |
チェコ | 2018 | 400 |
リトアニア | 2019 | 100 |
スウェーデン | 2019 | 未定 |
ワーキングホリデービザの年間発給数は、その受け入れる国の政府が決定できるルールになっています。
スウェーデンと日本の間のワーキングホリデービザの年間発給枠はまだ発表されていませんが、厳しい制限がないといいですね。
ワーキングホリデービザのメリットは?
スウェーデンに住めるチャンスがより多くの人に
何といっても、ワーキングホリデービザの登場によりスウェーデンに移住できる可能性が広がったことが大きなメリットです。
日本人がスウェーデンに長期で滞在するためには、
- 配偶者(サンボ)ビザ
- 留学ビザ
- 就労ビザ
のいずれかが必要であると、スウェーデン観光にビザは必要?スウェーデンのビザの種類と待ち時間でご紹介しました。
これらはいずれも、取得するにはハードルの高いビザです。
なぜなら、申請前にこのような条件をクリアしなければならないからです。
配偶者(サンボ)ビザ → まず、スウェーデン人のパートナーを見つけなきゃダメ
留学ビザ → まず、スウェーデンの受け入れ先の教育機関に合格しなくちゃダメ
就労ビザ → まず、スウェーデンで仕事を確保しなくちゃダメ
わたしも、パートナーがスウェーデン人じゃなかったら今頃スウェーデンには住めていません。
詳しくは記事の後半で説明しますが、ワーキングホリデービザは年齢制限さえクリアすれば、そのほかの条件は比較的ゆるいビザです。
スウェーデンに住んでみたくてもビザのハードルが高くて実現できなかった人にとって、ワーキングホリデービザは新しいチャンスなのです。
滞在期間が最長1年
長期滞在用のビザが取れない人がスウェーデンに滞在するためには、「観光ビザ」しか方法がありませんでした。
しかし、観光ビザによる最長滞在日数は90日間。
ところがワーキングホリデービザがあれば、最大1年間スウェーデンに滞在できるんです。
3ヶ月と1年間では、大きな違いですよね。
スウェーデンで働ける!しかも、事前に仕事が見つかってなくてもOK
ワーキングホリデービザ協定には、次のように定められています。
スウェーデン王国の関係当局は…旅行資金を補う目的で休暇の付随的な活動として就労するためにスウェーデン王国に滞在することを許可する。
引用:ワーキング・ホリデー査証に関する日本国政府とスウェーデン王国政府との間の協定 第三条2
つまり、ワーキングホリデーでスウェーデンに滞在する人は、滞在中に働いてもOK!
さらに就労ビザと違って、渡航前に仕事がなくても大丈夫。
日本にいながらスウェーデンで仕事を見つけるのはかなりハードルが高いですが、スウェーデンに移住してからアルバイトを見つけるのはそこまで難しくないと思います。
1年間の滞在期間中ずっと無収入ではお財布が心配ですが、アルバイトができると生活も楽になりますよね。
何より、その国で働いてみるというのは、その国の文化を知る上でとても貴重な経験です。
スウェーデンへのワーホリの申請条件・ 年齢制限・費用
では、どんな人がスウェーデンへのワーキングホリデービザの申請をできるのか見てみましょう。
スウェーデン移民庁によれば、条件は次のとおりです。
この中でも、自分の努力ではどうしようもないのが年齢制限。
ワーキングホリデー制度は「青少年」のための制度なので、31歳以上の方は残念ながら対象外です。
また、お子さん(もしくは扶養家族)がいる場合でも、同伴は許されていません。
でも、それ以外の条件はそんなに厳しくないと思いませんか?
生活資金、医療保険代、往復の航空チケットの分のお金さえあれば申請できるようです。
ワーキングホリデービザの申請には、通常1500クローナ(約17000円)がかかるんだけど、日本人の場合は嬉しいことにそれが免除されるよ!
【追記】スウェーデンへのワーキングホリデービザ申請の方法・必要書類
2020年3月5日、ついに待ちに待ったワーキングホリデーの申請受付が開始しました!
昨年8月26日、「ワーキングホリデー査証に関するスウェーデン・日本間の協定 」の署名が行われ、それぞれの国内手続が完了しました。待ちに待ったワーキングホリデー査証協定が、本日3月5日に発効します。
引用:在日本スウェーデン大使館
スウェーデンへのワーホリビザを取得したい人は、スウェーデン移民庁に申請をします。
スウェーデン移民庁でアカウント登録をしたら、ワーキングホリデー申請ページへ行き「Apply」をクリックします。
するとこのようなオンラインフォームが開くので、必要事項を記入していくだけです。
必要な提出書類は次のとおり。
申請はスウェーデン移民庁に対して直接おこないます。
東京にあるスウェーデン大使館では質問に答えてもらえませんので、お気をつけください。
ワーホリでスウェーデンへ行ったら仕事は見つかる?
実際にワーホリを使ってスウェーデンへ来た際に、仕事を見つけるのがどのぐらい難しいのか気になりますよね。
結論から言うと、スウェーデン語を必要としないアルバイトであれば比較的簡単に見つかると思います。(※スウェーデン語ができないケースを前提としています。)
スウェーデンは言わずと知れた移民大国なので、外国人が職を探す際に差別されることは基本的にありません。
ただし、スウェーデン語が必須という職種がほとんど。
必ずしもスウェーデン語が必要ない職業(例えば、アパレル店員、お土産物屋さんの店員、飲食店のウェイターなど)であれば雇ってもらえる可能性は十分にあります。
実際、私が以前アルバイトをしていていた洋服屋さんでは、香港からワーホリでスウェーデンに来ている人が働いていましたよ!
ただしワーキングホリデー制度における就労は、あくまで「旅行資金を補う目的で休暇の付随的な活動として」認められている点をお忘れなく。
現地での就労に際しての細かな条件については、国内手続が完了してからよく確認する必要があります。
ちなみに仕事ではスウェーデン語がほぼ必須ですが、日常生活を送る分には英語だけで十分なので、心配する必要はありません。
ワーキングホリデービザの延長・切り替えは可能?
ワーキングホリデービザは1年の期限付きですが、延長はできるのでしょうか。
また滞在中に正社員としての仕事が見つかったり、パートナー・配偶者が見つかった場合、そのまま就労ビザやサンボビザに切り替えることはできるのでしょうか。
残念ながら、ワーキングホリデービザの延長・切り替えは不可のようです。
スウェーデン移民庁のウェブサイトには、下記の注意書きがあります。
It is not possible to extend a permit for a working holiday. Normally, it is not possible to apply for a different permit from inside Sweden when your working holiday permit is about to expire.
スウェーデン移民庁
延長については「不可」(not possible)とありますが、別のビザへの切り替えについては「通常は不可」(Normally, it is not possible)と書かれています。
切り替えについては例外が認められる余地があるのか、スウェーデン移民庁に直接メールで問い合わせをしてみました。
回答は次のとおりです。
この回答によれば、やはりスウェーデンに滞在したままビザを切り替えることはできないとのことでした。
「Normally」と書かれているので、何か特別な事情がある場合には例外的にスウェーデン国内に居ながら切り替えが認められるケースがあるのかもしれません。
しかし、基本的にはワーキングホリデービザが切れる際に日本へ帰国し、日本から新たなビザの申請をし直す必要があるようです。
スウェーデンのワーキングホリデービザについてのまとめ
日本・スウェーデンのワーキングホリデー制度について、要点をまとめると次のとおりです。
みなさんが記念すべきワーホリ第1号としてスウェーデンに移住されるのを待ってます!
おまけ:スウェーデンの「sabbatsår(サボり年)」とワーキングホリデー
スウェーデンのsabbatsår(サッバッツオール)と呼ばれる習慣をご存知ですか?
日本語に訳すと「サボり年」。とにかく自分の好きなことをして自由に過ごす期間のことをいいます。
スウェーデンでは、特に高校を卒業した直後にsabbatsårを取る人が多いです。
すぐに大学に進学したり就職したりせず、
- 興味のある分野でアルバイトをする
- ひたすら趣味に打ち込む
- 海外を放浪してみる
こんな風に好きなように時間を過ごして、自分が本当に何をしたいのかを見つける大切な期間です。
ワーキングホリデーは、まさに「サボり年」にピッタリの制度。
日本では馴染みのない習慣ですが、これから日本でも広まってくれたらいいなと思っています。
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