海外旅行には「ビザ」が必要なときがあるみたいだけど、スウェーデン旅行のためにもビザって取らなきゃいけないの?
海外旅行にあまりなじみがないと、その国を訪れるために、そもそもビザが必要かどうかよく分からない…という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、
- スウェーデン観光のためにビザは必要なのか
- スウェーデンに滞在するためのビザの種類
- 各ビザの申請から取得までにかかる時間
についてご説明します。
※ビザ申請に関するルールは変更される場合がありますので、手続に関する正確な情報は必ずスウェーデン移民庁のホームページをご確認ください。
スウェーデンの旅行にビザは不要
うれしいことに、観光や出張のためにスウェーデンを訪れる日本人はビザ不要です!
スウェーデンは、「シェンゲン協定」というものに加盟しています。
このシェンゲン協定に加盟している国は、それらの国に入国するための共有のビザ「シェンゲン・ビザ」を発行しています。
日本のパスポートを持っている人は、このシェンゲン・ビザ取得が免除されているんです。
思い立ったら、明日にでもスウェーデンに行けちゃうよ!
観光目的でスウェーデンを訪れるときに注意すべきポイントについて、次の章で説明します。
シェンゲン協定とは
「加盟している国の中(シェンゲン領域内)では、人の行き来を自由にできるようにしましょう」という国同士のお約束のこと。フランス、ドイツ、スペイン、イタリアなどをはじめ、ヨーロッパの26か国が加盟しています(2019年7月現在)。
スウェーデン観光ビザの注意点
滞在期間は最大90日間
シェンゲン内に滞在できる期間は「あらゆる180日の期間内で最大90日間」と決められています。
たとえば、次のような日程でヨーロッパを旅行することはできません。
(※分かりやすくするため、1ヶ月を30日で計算)
5月~10月の180日間で見れば、シェンゲン領域内の滞在期間は45日(=90日以内)。
これならオッケーじゃないのと思いますよね?
しかし、3月~8月の180日間で見ると、シェンゲン領域内の滞在日数は
30日 + 30日 + 45日 = 105日
となり、15日の超過滞在になってしまっています。
あくまで「“あらゆる”180日の期間内」であることに注意が必要です。
また滞在日数制限は「連続した90日」でなくとも、「合算して90日」を超えるとアウトなので気を付けましょう。
パスポートの有効期限
パスポートの有効期限が3か月以上残っていないといけません。
有効期限の数え方は、「日本を出発する日」からではなく、「シェンゲン領域内から出る予定の日」から数えて3ヶ月なので、お気を付けください。
さきほど述べたとおり、シェンゲン領域内に滞在できるのは最大90日間。
例えばパスポートの有効期限が残り1ヶ月でヨーロッパへやってきて、のんびり滞在してたらいつの間にかパスポートが切れてた!というケースを防ぐためのルールですね。
90日以内の滞在中でも、働くためには就労ビザが必要
ちょっと長くいられるからって、勝手にバイトとかしてはいけません。
お金を稼いだらその国に税金を納める必要がありますが、旅行者(=その国に住民として登録されていない人)がお金を稼いでしまうと問題になります。
スウェーデンに長期滞在するためのビザ
90日を超えてスウェーデンに滞在する場合には、その目的に応じて、次のいずれかのビザを予め取らなくてはいけません。
- 留学ビザ
- 配偶者ビザ・サンボビザ
- 就労ビザ
- ワーキングホリデービザ
ビザ申請は、スウェーデン移民庁(Migrationsverket)に対して行います。
東京にあるスウェーデン大使館では申請できませんのでご注意ください。
スウェーデン移民庁のホームページには英語版があり、オンライン申請も受け付けています。
とても便利ですね。
留学ビザ
スウェーデンの高等教育機関で勉強することを目的としたビザです。
留学・入学予定先の学校からフルタイムの学生(※)として受け入れられていることが条件となります。
また、留学期間に応じて、その間の生活費を賄える経済力があることを証明する必要があります(奨学金を得ている場合を除く)。
例えば、フルタイム(100%)で通えば1年で修了できるコースを50%で履修した場合、コースを終えるまでに倍の期間(2年)がかかりますが、授業の頻度が半分になります。これなら、仕事と勉強を両立させることができるわけです。
配偶者ビザ・サンボビザ
パートナーと一緒にスウェーデンに住むためのビザです。
現在スウェーデンに住む日本人の多くは、このビザで滞在していると思います。
スウェーデンでは、同棲相手のことを「サンボ(Sambo)」と呼び、婚姻関係にない場合でも同棲を理由にビザを申請することができます。
このビザのことを通称サンボビザと言います。
以前はとても審査の緩いビザでしたが、2016年に法律が変わり、審査基準が厳しくなっています。
具体的には、ビザ申請者をスウェーデンに呼び寄せる側の人が、
- 二人分の生活費を賄うだけの経済力を有していること
- ビザ申請者とともに住むための十分な広さの住宅を有していること
の条件を満たしていることが新たに必要となりました。
わたしも配偶者ビザを申請したのですが、取得までに本当に苦労しました。
興味のある方は【スウェーデンのサンボビザ】取得にかかった期間は約2年…申請から許可が下りるまで(前編)もあわせてどうぞ。
就労ビザ
スウェーデンで働くことを理由に申請するビザです。
スウェーデンの企業に雇用されるか、日本企業の駐在員としてスウェーデンへ派遣されるパターンが多いと思います。
個人事業主としてビザを申請することもできますが、この場合には、
- 該当するビジネス分野で十分な経営実績・経験があること
- 今後将来2年間にわたって、自分(家族がいれば家族の分も含め)の生活費を賄えるだけの経済力があること
を証明する必要があります。
ちなみに、配偶者・サンボビザを持っていれば、働いても問題ありません。
ワーキングホリデービザ
2019年8月26日、日本とスウェーデンの間にワーキングホリデー制度が成立しました。
詳しくは、ワーキングホリデーでスウェーデンに行こう!ワーキングホリデービザのメリットや申請条件を詳しく解説をご覧ください。
スウェーデンのビザ申請の待ち時間(2020年現在)
ビザの種類とそれぞれの待ち時間は次のとおりです。
ビザは原則として入国前に取得しておく必要がありますので、余裕をもって申請しましょう。
留学ビザ | 1-3ヶ月 |
配偶者・サンボビザ | 10-13ヶ月 |
就労ビザ(被雇用者の場合) | 6-7ヶ月 |
就労ビザ(個人事業主の場合) | 16-17ヶ月 |
※追加書類の提出の必要がない場合を想定。移民庁から不足書類の提出を求められた場合には、さらに待ち時間が長くなる可能性があります。
※申請方法はオンラインの場合を想定。郵送での提出だとさらに時間がかかるようです。
※初めて申請する場合を想定。すでにビザを持っていて、それを延長する場合には、一般的に待ち時間はだいぶ短くなるようです。
とにかく、スウェーデン旅行の際にはビザは不要!ということを覚えておきましょう。
長期滞在用ビザに関する詳細はスウェーデン移民庁のホームページでご確認ください。
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