スウェーデンのサンボビザ申請条件や面接についてのまとめ

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スウェーデン人のパートナーと一緒にスウェーデンへ移住することを考えているけど、どんな手続きが必要なのかな?

日本人がスウェーデン人のパートナーと一緒にスウェーデンに住むためには、事前に「サンボビザ」もしくは「配偶者ビザ」を取得しなくてはなりません。

サンボビザ申請をこれから行う予定の人も、現在申請中の人も、きっとたくさんの不安を抱えていると思います。

わたしは約1年前にサンボビザを取得したのですが、実はその際に一度却下された苦い経験があります。

「あのとき、こうしておけば良かった…!」という教訓をふまえ、できるだけスムーズにビザがもらえるコツもみなさんにシェアしたいと思います。

この記事では、サンボビザについてのこんな疑問・不安にお答えします。

  • どうやって申請すればいいの?
  • 申請するための条件は?
  • 申請から取得までのプロセスを詳しく知りたい!
  • 面接ではどんなことを聞かれる?
  • ビザが下りるまでどれぐらい時間がかかるの?
  • 申請をスムーズに進めるにはどうしたらいい?

かなり長い記事になりますが、これまでの知識とノウハウをぎっしり詰め込んだので、参考にしてもらえたら嬉しいです。

※ビザ申請の条件等は変更される可能性がありますので、実際に申請を行う前には、必ずご自身で移民庁のホームページをご確認ください

サンボビザとは?

スウェーデンでは、結婚はしていないけれど一緒に住んでいるパートナーのことを「サンボ」(sambo)と呼びます。

そして、このサンボと一緒に住むためのビザを通称「サンボビザ」と言います。

一緒に住んでいても、交際関係にない単なる同居人はサンボとは呼びません。

ちなみに、あなたのパートナーがサンボであっても配偶者であっても、申請するビザの種類は同じです。

サンボの方が配偶者よりも不利な扱いを受けることはないので、安心してください。

サンボビザの申請方法

申請の方法は2つあります。

スウェーデン移民庁ホームページでオンライン申請

一番簡単なのは、スウェーデン移民庁のホームページ上でオンライン申請を行う方法です。

やり方はとっても簡単。

メールアドレスを使って移民庁でアカウントを作り、そこで申請するだけです。

詳しい内容は記事の後半で説明しますね。

ちなみにオンライン申請を行うには、

  • 18歳以上であること
  • パソコンを持っていること
  • 有効なEメールアドレスをもっていること
  • 写真や書類をスキャンし、添付できること

が必要です。

オンラインで申請できるなんて、さすがスウェーデン、進んでるね!

スウェーデン大使館に対して郵送で提出

オンライン申請ができない人は、移民庁ホームページから必要書類をダウンロードして、スウェーデン大使館に郵送するという方法もあります。

ただ、郵送の方が審査に時間がかかってしまう可能性が高い上に、書類の記入漏れなども起きやすいため、オンラインで申請することをおススメします。

ちなみに、知ってた?

別のビザ(労働ビザや、学生ビザ)ですでにスウェーデンに滞在している人がサンボビザへの切り替え申請をする場合には、オンラインでの申請ができません

この場合には、移民庁に対して申請書類を郵送で提出する必要があります。

サンボビザの申請に手数料はかかる?

ラッキーなことに、日本人はビザ申請のための手数料が免除されているので無料です!

通常であれば大人1人につき1500SEK(約17000円)、子ども1人につき750SEK(約8500円)がかかります。

サンボビザ申請の条件

申請をする前に、条件をクリアしているかしっかり確認しましょう。

サンボビザの条件①二人の関係性

あなたがこれからスウェーデンで一緒に住もうとしている相手と、

  • 結婚している、またはする予定
  • 登録パートナーシップ関係にある、またはそうなる予定
  • 過去に一緒に住んでいた、またはこれから住む予定

のいずれかの関係にあることが必要です。

結婚している、もしくは登録パートナーの場合には、その婚姻関係ないし登録パートナーシップ関係がスウェーデン国税庁(Skatteverket)に登録されていなければなりません。

日本で結婚をしたら、ちゃんとスウェーデンでも届け出をしてなきゃ、スウェーデンでは夫婦って認められないってことね!

 
※登録パートナーシップとは、同性婚の認められていない国で、同性カップルが「結婚に相当する関係」にあると認める制度のこと。

サンボビザの条件②収入と家の大きさ

ビザ申請者ではなく、申請者のパートナー側に求められる条件もあります。

それは、

  • 十分な収入があること
  • 十分な広さの住宅があること

これらの条件は、2016年の法改正により新たに課されることになったもので、2016年7月21日以降に受理された申請に適用されます。

それぞれについて、もう少し詳しく見てみましょう。

十分な収入があること

労働に基づく定期的な収入があり、それによって、自分自身とビザ申請者のどちらも養うことができることが必要です。

二人の間に子どもがいる場合には、もちろんその子どもも養えるだけの経済力が求められます。

「収入」としてみなされるのは、給与、失業手当、傷病手当、収入に基づいた年金です。

わたしのパートナーは普通のサラリーマンだけど、ちゃんと条件を満たしているかな…?

必要とされる収入は、養う家族の人数と、住居費用(家賃など)の大きさにより異なります。

2020年8月現在の条件では、毎月の収入から住居費用を除いた額が次の金額以上でなければならないとされています。

  • 5,002 SEK 大人1人
  • 8,264 SEK 配偶者もしくはサンボをあわせた大人2人
  • 2,654 SEK 6歳以下の子ども1人
  • 3,055 SEK 7歳以上の子ども1人

例えば、家賃がひと月7,000 SEKの家に、あなたとパートナーで2人暮らしをする場合には、あなたのパートナーの月収が最低でも

7,000 SEK + 8,264 SEK = 15,264 SEK

なければならない、ということです。

ここで特に注意して欲しいのは、移民庁が見ているのは、あくまで“ビザ申請者のパートナーの収入”ということ。

わたしがサンボビザを申請した際には、わたし単独の収入でこの条件をクリアしていました。

しかし、自営業だった私のパートナーは月によって収入にバラツキがあったため、パートナーの収入が安定していないことを理由にビザを却下されてしまったのです。

ビザの可否はさまざまな事情を考慮した上で総合的に判断されるものなので、みなさんの申請にも同じことが当てはまるかどうか100%は分かりません。

ただ、実際わたしのように却下になったケースもあるので、やはりパートナー単独の収入で基準額を超えていた方が安心だと思います。

十分な広さの家があること

ビザ申請者のパートナーが、ビザ申請者と一緒に住むための住宅を持っていることも条件のひとつです。

この際のポイントは、十分な広さがあるかどうか。

「十分な広さ」とは、子どものいないカップルの場合には1部屋(寝室)+ キッチンです。

日本でいうとことの1DKの間取りですね。

子どもがいる場合にはさらに多くの部屋数が必要になりますが、子どもは2人で1つの部屋(寝室)を共有して良いとされているようです。

持ち家ではなく賃貸でもOKですが、その場合には、大家や住宅管理組合から承認を得ていることを証明する必要があります。

間借りや、ビザ申請者のパートナーの親の家に住ませてもらうといったケースは基本的に認められていないのでご注意ください。

ちなみに、知ってた?

深刻な住宅不足が続くスウェーデンでは、間借り(家の中の1部屋だけを借りて、キッチンやバスルームは大家と共用)が割と一般的です。しかしサンボビザを取得するためには、間借りの家ではNG。ビザ申請者のパートナー名義で借りているアパート・もしくは購入した家がなくてはいけないので要注意です。

サンボビザの申請から結果通知までのプロセス

ビザの申請から取得までのプロセスはざっくりいうとこんな感じです。

  • ステップ1:サンボビザ申請を提出
  • ステップ2:移民庁がビザ申請を受理
  • ステップ3:移民庁が、ビザ申請者のパートナーに対し質問票を送付
  • ステップ4:移民庁が質問票を受理
  • ステップ5:移民庁の担当者による審査
  • ステップ6:日本のスウェーデン大使館にて面接
  • ステップ7:移民庁の担当者による審査
  • ステップ8:結果通知

少し複雑そうに見えますが、1つ1つの手順を正しく理解すれば大丈夫。

この中の主要なステップについて、もう少し詳しく説明しますね。

サンボビザ申請の提出

最初に述べたとおり、まずは移民庁ホームページにアカウントを作ります。

移民庁ホームページにログインすると、このような質問事項が表示されるので、これらに答えていきます。

移民庁ビザ申請ページ
移民庁ビザ申請ページ

また、申請時には次の書類をアップロードする必要があります。

  • パスポートの写し
  • 結婚していない場合:独身であることを証明できる書類
  • 結婚している場合:結婚を証明できる書類
  • スウェーデン国外で一緒に住んでいる(いた)場合:一緒に住んでいる(いた)ことを証明できる書類(あなたとあなたのパートナーの名前が記載された賃貸契約書など)

質問票の提出

申請が受理されしばらくすると、移民庁からビザ申請者のパートナーに対して質問票に回答するよう連絡がきます。

ビザ申請者に対してではなく、パートナー側に対して連絡が来るという点にご注意ください。

この質問票は、パートナー自身が、ビザ申請者との関係を説明するためのものです。

わたしたちが申請をした際の質問票では、次ようなことを記入しました。

  • ビザ申請者の生い立ち、教育、仕事、住宅、趣味、家族
  • 初めて出会ったときのシチュエーション
  • 2回目以降のデートをした国・場所・会う頻度
  • これまで一緒に旅行をした際のフライトチケットや写真
  • 2人の将来設計

ちなみに、質問票のフォーマットは移民庁のホームページからダウンロードすることができます(スウェーデン語のみ)。

ただし、どのフォーマットを使うかは、必ず移民庁の指定に従ってください

移民庁から提出が求められる前に、勝手に記入して提出してはいけません。

質問票を提出したら、あとはとにかく待つのみ

質問票まで提出し終えると、いったん申請者側のやるべきことは終わりです。

あとは、あなたの申請に対して移民庁内で担当者が割り当てられ、その担当者が申請内容を審査してくれるのを待ちます。

どうやら申請プロセスの中で最も時間がかかるのは、この部分のようです。

私もこの間にしびれを切らし何度も移民庁に問い合わせしたのですが、毎回言われたのは「申請が受理された順に対応しているので、担当者が決まるのを待ってください」だけでした。

なんだかもどかしいけど、とにかく気長に待つしかないのね。。

ちなみに不足書類があると、この段階で移民庁から追加で提出するよう指示が来ます。

サンボビザの面接で訊かれる質問

書類審査をすべてクリアすると、ついに面接に呼ばれます。

これは、あなたとパートナーとの関係がニセモノでないかを調べるために行われているようです。

私の場合はすでにスウェーデンに滞在しながらの申請だったので、日本のスウェーデン大使館での面接ではなく、移民庁の担当者による電話面接でした。

面接は全部で1時間半ぐらい。

付き合った日から現在までの関係をとにかく細かく聞かれましたが、優しく丁寧に話を聞いてくれる感じでした。

主な質問内容は次のとおりです。

  • どのようにして出会ったか
  • 相手の家族構成は
  • 出会ってからどのように交際に発展したのか
  • 交際が始まった年月日はいつか
  • 交際が始まってからはどのように関係を深めていったのか
  • 相手の長所・短所
  • これまで一緒に旅行した国は
  • 最近ケンカしたことがあるか、その理由は何か

交際期間が長いから、付き合った当初のことはあんまり詳しく覚えていないけど、大丈夫かな…?

「数年前のことについては記憶が曖昧でハッキリした事実関係を答えられない」ということがあるかもしれませんが、それでも即ビザ却下ということにはならないようですのでご安心ください。

わたしの周りでもサンボビザを取得した人はたくさんいますが、面接まで受けたのちにビザを却下されたケースは聞いたことがありません。

これまでの二人の関係について自然体で受け答えをすれば、全く問題ないと思います。

サンボビザ取得にかかる時間

ビザを申請するにあたって1番気になるのは申請してから実際にビザが許可されるまで、どのぐらい時間がかかるのかですよね。

移民庁によれば、2019年9月現在のサンボビザの待ち時間は9~13か月

とにかく時間がかかるので、そこは覚悟した上で申請しましょう。

ちなみにわたしが1年前にサンボビザを取得したときには20ヶ月かかりました。

その頃に比べれば、少しはマシになっていると思います。

サンボビザ申請をできるだけ早く進めるためのポイント

約1年という待ち時間を数週間に縮めるといった裏ワザは残念ながら無いと思いますが、少しでもスムーズに申請を進めるためのコツはいくつかあります。

わたし自身の経験に照らすと、次のポイントをしっかり守ることが大切だと思います。

申請は郵送ではなくオンラインで

できるだけ早くビザを取得したければ、絶対にオンラインで申請しましょう。

移民庁によると、郵送で申請を提出した場合には、取得までの待ち時間が2ヶ月ほど延びてしまうようです。

わたしの場合は別のビザですでにスウェーデンに滞在しながらの申請だったため、郵送でしか受け付けてもらませんでした。

そのせいだったかどうかはハッキリとは分かりませんが、移民庁から質問票の提出の連絡がくるまでに3ヶ月もかかりました。

ココに注意!

オンライン申請をしたら、メールのチェックを頻繁にするよう心掛けましょう。

オンラインでの申請に対しては、移民庁からの連絡が基本はメールで行われるからです。

移民庁からの大切な通知が迷惑メールフォルダに入って放置されていた…なんてことにならないよう気を付けてください。

申請条件をよく理解した上で書類を用意する

当たり前のことなのですが、申請をスムーズに進めるためには、申請条件をクリアしていることが明確に分かる書類を用意するのが一番大事。

「提出された資料だけでは、条件をクリアしているかどうか分からない」と移民庁が判断した場合には、追加の書類提出を求められます。

そうなると、書類が揃うまで一度審査が止まり、書類提出後に審査が再開されるまでにさらに時間がかかることになります。

移民庁のホームページによれば、追加書類が発生した場合には、合計待ち時間が11~14か月になるとあります(※通常の待ち時間は9~13か月)。

しかも追加書類の提出期限は2週間です。

求められる書類によっては、2週間以内に揃えるのが難しいものもあります。

移民庁に連絡すれば提出期限を延ばせるのですが、そうするとその分だけ、結果が出るのも遅くなります

もし追加書類を期限内に提出できなかったら、それまでに提出された書類のみで審査が進められ、最悪の場合にはビザ申請が却下されることも。

ビザが却下されると、移民裁判所に対する異議申し立てをしなければならず、これでさらに時間がかかってしまうのです。

移民庁から追加提出を指示されないようにするため、とにかく万全に書類を準備することが大切です。

サンボビザ申請前にパスポートの有効期限をチェック

パスポートの残り有効期間が短くなっている場合には、まずはパスポートを更新し、新しいパスポートで申請をしましょう。

なぜなら、パスポートの有効期限≧ビザの有効期限だからです。

サンボビザの有効期限は通常2年ですが、有効期限が半年しか残っていないパスポートで申請をおこなった場合、本当は2年間分もらえるはずだったビザの有効期限も半年になってしまいます。

また、申請の待ち時間が長いことを考えると、そもそも結果が出る前にパスポートの有効期限が切れてしまうということもあり得ます。

そうなると、更新したパスポートの写しを追加で提出しなければならなくなります。

追加書類の提出が申請を長引かせる要因になる点については、すでに説明したとおりです。

面接の前には提出書類の復習を

移民庁に提出する書類は、すべて手元にコピーを残しておくことをおススメします。

その理由は、それまでに提出した書類に記載した内容と重複することを面接で聞かれる場合があるからです。

書類提出から面接に呼ばれるまでには長い時間がかかるので、提出した書類に何を書いていたか忘れてしまうこともあると思います。

移民庁は提出した書類の情報を細かくチェックしているにで、あまりにもそこからかけ離れたことばかり答えると、二人の関係が偽装なのでないかと疑われてしまう可能性があります。

予め書類のコピーをとっておき、面接を受ける直前に内容をもう一度見返すと安心です。


ビザが無事下りるまではどうしても不安ですよね。

わたしも、無事ビザがもらえるまではずーっと胸がモヤモヤしていました。

でも大丈夫。

条件をひとつひとつ理解した上できちんと書類を準備すれば、必ずビザは下ります!

個人的な質問があれば、お問い合わせからお気軽にどうぞ。

コメント

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